法人の設立を自分でできるの?(その1)

新たに法人の設立を考えている方、あるいは今まで個人事業主でやってきたが、そろそろ法人成りを考えている方など、さまざまいらっしゃると思います。
法人、その中でも特に会社の設立を考えているけど、自分で設立の手続きすることはできるのだろうかとお考えの方も多いのではないでしょうか。

「会社の設立は そもそも自分で出来るのか?」 順番に見ていきましょう。

1.会社の設立は自分で出来る?

結論から言いますと、自分で会社の設立をすることはできます。
最近ではクラウド会計ソフトなどの普及もあり、そのハードルはかなり下がってきています。
そのサービスを利用すると、必要事項をフォームに沿って入力していけば設立に必要な書類などを作成することができます。
簡単に会社の設立ができるようになってきました。

また、そのサービスを利用しない場合でも、ご自身で定款を作成して、出来上がった定款を公証役場で認証してもらい、認証が終わったら出資金を入金します。
その後 認証の終わった定款など必要書類をそろえて法務局へ設立登記の申請を行えば設立手続きは完了です。

どうでしょうか?
なんとなく自分で出来そうな気がしますか?

2-1.株式会社設立の流れ

簡単に会社設立の流れをご説明します。
会社法では、株式会社の設立方法について、発起設立と募集設立という2つの方法を定めています。
発起設立とは、設立者である発起人と呼ばれる人が、設立時に発行する株式のすべてを引き受ける方法をいいます。
これに対して、募集設立とは、発起人が設立時に発行する株式の一部を引き受け、残りを株式の引受人を募集するという形で行なう方法をいいます。

ここでは、選択される割合が多い発起設立の簡単な流れをご説明します。

【株式会社設立の流れ 発起設立の場合】

①会社の基本的な事項を決める

商号、目的、本店所在地、設立に際し出資される財産の価額、発行可能株式総数など

商号は、まさしく会社の顔となる部分ですので慎重に決めるようにしましょう。
また、使えない文字や文言などがありますので気を付けてください。
例えば、ローマ数字(Ⅰ Ⅱ Ⅲ )やギリシャ文字(α β γ)などは、使用できないこととなっています。

事業目的は、どうすればいいのか一番悩まれるところだと思います。
定款への記載が必要であるうえに、登記事項でもあります。
登記が終わったあとに事業目的を追加したいや変更が必要となった場合は、定款変更と変更登記の申請も必要になります。
もちろん費用もかかってしまいますので、事業目的を決める際はさまざまなことに注意を払って決めるようにしてください。

当然ですが、事業目的に記載されていない事業は行なうことができません。
また、行なおうとする事業によっては許認可が必要になるものもありますが、その場合は特に事業目的の記載は慎重に決めるようにしてください。

設立の際に実際に行なう事業内容だけではなく 将来行ないたい事業も記載しておくことができますので、先々の事業展開のことも考慮して事業目的は決められればベストです。

②定款を作成する

①で決めた内容をもとに定款を作成します。
定款とは、会社の基本原則のようなもので、必ず記載しておかなければいけないとされているものがあります。(絶対的記載事項)
絶対的記載事項:商号、目的、本店所在地、設立に際して出資される財産の価額又はその最低額、発起人の氏名又は名称及び住所、(発行可能株式総数)
(発行可能株式総数については、原始定款には記載する必要はありませんが、会社の設立時までには記載しなければならないとされています。)

定款には絶対的記載事項以外にも、書かなければその効力が認められないとされている「相対的記載事項」といわれるものと、定款以外の規約などで定めても良いとされている「任意的記載事項」と呼ばれるものがあります。
相対的記載事項には、株式の譲渡制限に関する定めや公告の方法、基準日、剰余金配当の定めなどいろいろなことを定めておくことができます。
例えば、機関設計に関することなどもそのうちの一つになります。
基本的には株式会社には株主総会と取締役の設置が必要とされていますが、その他の機関は定款で定めることで設置することができます。
株主総会と取締役の他には、取締役会や監査役、監査役会、会計監査人などがあります。
どのような機関設計にするのかは 会社の根幹に関わる部分でもあるのでじっくりと考えて決めるようにしてください。
その他、任意的記載事項とされているもののなかにも、後々の会社の運営のことを考えればきちんと決めて定款に記載しておいたほうがいいものもあります。

まとめ

この続きは ”その2” のほうでご説明しますが、ここまで説明してきましたように株式会社の設立にはさまざまなことを決めていかなければなりません。
しかも、設立後に定款の内容に変更が必要になると変更登記が必要になる場合もあり、そうなってしまうと余計な費用がかかることにもなります。
また、場合によっては その定款の事業目的の記載の仕方では、予定していた許認可の取得ができないということも起こります。
そのようなことにならなためにも、許認可手続きの専門家である行政書士に最初から相談して任せてしまうほうが効率的ではないでしょうか。
特に事業目的に関しては、我々行政書士の腕の見せどころで、取得したい許認可や将来的な事業展開なども見据えて最適なご提案をすることができます。


法人設立をご検討されている皆さま、お気軽にご相談ください。
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