
1.戸籍の取得の仕方
戸籍の取り方をまずはお話しします。
戸籍はご自身の本籍地の市区町村に保管されています。
基本的には戸籍を取得するには本籍地に申請して取得することになります。
基本的にはと書いたのには実は訳があって、2024年3月から「広域交付」という制度が始まり、本籍地以外の市区町村役場でも取得できるようになりました。
この「広域交付」については後ほど少しご説明します。
まずは通常の取り方のほうです。
基本は役所等に実際に出向いて申請しますが、多くの自治体では郵送による申請も可能になっています。
①窓口申請
窓口申請の場合は、窓口に備え付けられている申請書に必要事項を記入し、運転免許証などの本人確認書類を添付します。
申請書の書き方がわからなければ役所の方に聞くと教えてくれると思います。
最後に窓口で手数料を支払って終わりです。
②郵送申請
郵送申請の場合は、役所のホームページに掲載されている申請書をダウンロードしてその申請書に必要事項を記入します。
送付用と返信用の封筒を準備し、それぞれに必要な分の切手を貼ります。
本人確認書類(運転免許証など)は、コピーをしたものを封筒に入れておきます。
さらに、郵送申請の場合は郵便局で定額小為替を準備して申請書類と一緒に入れるようにしてください。
定額小為替の額面には12種類あり、郵便局で購入することができますが、1枚につき200円の手数料がかかります。
(定額小為替:50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1000円)
例えば50円の定額小為替にも200円の手数料がかかります。
ちょっと高い気がするのですが、・・・。
話しはそれてしまいましたが、とにかく戸籍の発行に必要な額の定額小為替をあらかじめ準備しておいて下さい。
まとめると、封筒の中に申請書、本人確認書類のコピー、必要な分の定額小為替、返信用封筒を入れて各自治体の申請窓口宛に郵送してください。
2.戸籍交付手数料
戸籍の交付手数料は、ほとんどの自治体では以下のようになっています。
戸籍全部事項証明書 : 450円
戸籍個人事項証明書 : 450円
除籍全部事項証明書 : 750円
除籍個人事項証明書 : 750円
改製原戸籍謄本 : 750円
改製原戸籍抄本 : 750円
3.広域交付制度とは?
それでは最後に「広域交付」制度について簡単にお話ししておきます。
この制度が出来るまでは戸籍謄本等を取得するには本籍地の市区町村に対して申請しなければなりませんでした。
この本籍地というのがかなり厄介で、住民票のある市区町村とは違い、遠方に本籍地があるというケースも多々あります。
さらに相続手続きの場合などには、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍を集める必要があります。
出生から結婚、転籍などを行ない、本籍地が何度も変更されていたりする場合は、それぞれの自治体ごとに申請していかなければならないのです。
通常、遠方になると郵送申請になると思いますが、郵送で取り寄せた戸籍の内容を確認して次の市区町村に請求するという作業を繰り返していくことになります。
これは手間も時間もさらには費用も余計にかかるものすごく面倒な手続きでした。
しかし、2024年に始まった「広域交付」制度では、最寄りの市区町村の窓口で申請すれば他の市区町村が本籍地の戸籍証明書でも取得することができるようになりました。
これは非常に便利な制度です。 劇的な進化と言ってもいいと思います。
ただし、いくつか気を付けないといけない部分もあり、特に以下の点は注意が必要です。
・広域交付請求できるのは直系尊属(父母や祖父母など)や直系卑属(子や孫など)
・請求者が必ず窓口に出向く必要がある
実は広域交付制度が出来た時に私自身もこの制度を使って自身の祖先の戸籍証明書を遡れるところまで全て取得してみたのですが、非常に楽でした。
最寄りの千葉の区役所に前もって広域交付の予約を入れて当日は免許証を持って決められた時間に行き、申請書を1枚記載しただけです。
私の場合は長崎県や佐賀県といった九州地方を転々としていたみたいでしたが、あっという間にすべての戸籍証明書が取得できました。
ご興味がある方はぜひ一度チャレンジしてみて下さい。
4.まとめ
いかがだったでしょうか。
戸籍謄本はあまり取ったことがないという方が多いかもしれません。
でもここでお話ししたように少し面倒な部分はあるにせよ、手続き自体はそれほど難しいものではありません。
また、広域交付制度を利用すればその面倒な部分もかなり解消されるのでご自身で取ってみるのもいいかと思います。
あらかじめ一度やっておくことでいざ相続が発生したという時にも慌てずに対処できます。
もちろん戸籍謄本集めや相続手続きといったものを全て我々のような専門家に任せてしまうのも手だと思います。
相続手続きや遺言書の作成のことならお気軽にご相談ください。
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